鉄輪のシンボル的存在である共同浴場「熱の湯」近くにある、八角形の建物がそれである。かつては「下ん熱の湯」とよばれ、戦前までは通常の共同浴場として利用されていたが、湯温が低いために戦後は洗濯場となった。当時は、周辺旅館の女中たちでにぎわっていたという。おそらく井戸端会議よろしく、よもやま話に花を咲かせていたのであろう。この洗濯場も、電気洗濯機の普及とともに昭和五十年代に姿を消した。美作三湯のひとつ岡
小唄にあわせて足踏みで洗濯するようすが見学できる... の続きを読む
成田からパリ、アルジェを経山して、サハラのオアシス、ジャネットまで空路である。ジャネットから車でタファルレット峠のふもとまで走り、あとは徒歩で標高二〇〇〇メートルほどの台地を踏破する。最初の岩絵まで一泊二目、野営して辿り着く。そして最初の岩絵がすめば、次の岩絵までまたはるばると歩くことになる。そういう行脚だった。ふりかえれば私の記憶の大部分は、とにかくひたすらな徒歩だった。言葉を発することが億劫に
いざ岩の台地へ... の続きを読む
お世話になる「にちりん16号」は、宮崎空港駅始発の列車で、13時02分に「きりしま6号」が着いたホームの反対側に颯爽と入ってきた。ここで、その車体の色を見て、びっくりしたのであるけれど、それについては後ほど。ちなみに、車体側面の行先字幕は「特急にちりん(&ソニック)別府(博多)」とある。この列車は、大分および別府で大分始発の陣多ゆき特急「ソニック44号」に接続しているため、かかる表示となっているの
懐かしい色の車両... の続きを読む
この前の連休に鹿児島の桜島に家族旅行に行ったのですが、車で約6時間の長旅でした。着いてすぐにホテルへチェックインし、その日の夜は有名な黒豚料理のお店に行き、とんかつやしゃぶしゃぶを堪能。もちろん焼酎も頂きました。次の日は、朝から市内観光し、フェリーで桜島に行く事にしました。フェリーには車も一緒に載せる事が出来るので、車を持って行くことにしました。桜島に着くと、まずは足湯に行くことにしました。足湯の
鹿児島の桜島に家族旅行に行ってきました... の続きを読む
標津線であるが、釧網本線の標茶駅から中標別(空港がある)を経て根室標津駅までと、中標津から分かれて南下、根室本線の厚床駅(根室市内)に至る二つの路線から成っていた。当初は根釧台地に点在する小さな開拓集落を結ぶ大切な足であり、また知床観光のルートでもあったが、自動車の普及により乗客が減少し、平成元年(一九八九)に廃止されている。私は厚床から次の駅の奥行臼まで、並行する国道二四三号を歩くことにした。ひ
ひと駅ずつ二年にわたって歩いた標津線沿線... の続きを読む
那覇泊港一七時出港→二日目七時北大東到着、八時三〇分出港→九時三〇分南大東到着、二時出港→一七時北大東到着、三日目一四時出港→一五時南大東到着、一六時出港→四日目七時三〇分那覇泊港(五日に一便程度の運航)※那覇→南大東島→北大東島→那覇航路もあり那覇〜大東島四六二〇円那覇の泊港「とまりん」から数々の離島への船便あれど、やはり特筆すべきは南北大東島へ向かう定期船「だいとう」(総トン数六九九トン・旅客
究極の離島航路大東海運「だいとう」... の続きを読む
二〇〇八年一一月。英国の豪華客船「クイーンエリザベス2」が引退した。クイーンエリザベス2といえば日本人にとって豪華客船そしてクルーズそのものであり、日本人のクルーズへの憧れを長年にわたって体現してきた。船旅はしたことがないけれど、クイーンエリザベス2の名前だけは知っている、という人が多いように、その影響力は計り知れない。同時に、クイーンエリザベス2は日本人に間違ったクルーズ観も植えつけてしまった。
クルーズは庶民には高嶺の花という幻想にだまされ続け... の続きを読む
旅は萩から津和野を経て松江へ行き、小泉八雲の記念館などを回った記憶がある。松江からは木次線経山の今はなき急行「ちどり」で三次へ向かった。その晩は三次で泊まったから、おそらく鳥取二一時二〇分発)から直通し、松江一三時三一分発の「ちどり二号」広島行だろう。当時の中国地方には中国自動車道がわずかに部分開業していた程度で、国道も未整備だったから急行「ちどり」は山陰の米子・松江などの諸都市と広鳥を結ぶ「陰陽
奥出雲を走る急行「ちどり」... の続きを読む
車窓から眺める宿場町もなかなか風情がある。そもそも鉄道の線路は街道沿い敷設されることが基本である。都市間交通であれ、神社仏閣への参詣鉄道や鉱山鉄道であれ、レールは人やモノの流れに沿って敷かれるので、東海道や甲州街道などの有名な街道でなくても、全国津々浦々に通じた街道に沿って走ることが多い。宿場より後にできた鉄道は、当然ながらそれぞれの宿場の裏手を走っているので、「旧街道歩き」のようなわけにはいかな
車窓から眺める宿場町... の続きを読む
自分で海外旅行をするときにまず決めなければならないのが、旅行会社が日程を組んでいる団体旅行にするのか、自分ですべての日程を決めて手配を依頼する個人旅行にするかだ。団体旅行は、ホテルや地上の交通機関、観光などを含むパッケージツアー(パックツアーが一般的だ。個人旅行で重要なのは、航空運賃を(1)正規運賃(エコノミークラス運賃を正価で購入)、(2)正規割引運賃、(3)格安航空券、のどれにするかだ。一般的
パック・正規割引・格安トトどれを選ぶべきか?... の続きを読む
LCCのサイトを立ち上げてから1分ほどがすぎただろうか。「あっ」T君が短い声をあげた。なにかすごいルートでも発見したのかと、僕はパソコン画面から顔をあげた。「バッテリーが終わっちゃいました」「………」予約の足しにならないパソコンである。T君は、無線LANがつながると聞くと、さっそく自分のパソコンを立ちあげていた。ところが、最初に見だのは、株や外国為替の動きだった。「日経平均がちょっと戻ってきたな」
電源があるところでしか使えない台湾のメーカーのもの... の続きを読む
アジア系エアラインを利用して、乗り換えのために寄港するエアラインの本拠地でいったん降りてヨーロッパを往復する手もある。この場合の運賃はむしろ安いが、往復で時間を一日損するので、宿泊費を入れた経済効果だけを比較するのであればトクとはいえない。むしろ、途中降機して観光を楽しむとか、時差や体調の調整を目的に使うのであれば、有益だろう。米国は広いので、日本からの運賃ゾーンが、西部、内陸部、東部に分けられて
アジア系エアラインを利用... の続きを読む
復活祭を間近に控えた時期、どの家でも女たちは台所で準備に大わらわ。テトラさんは、準備の様子を見せましょうと、自宅に招いてくれた。冬は零下三〇度になることもあるというこの地方では、部屋が夏用と冬用に分かれていて、冬の部屋は○を中心に台所も寝台も一つの部屋の中に配置され、とても温かい。復活祭の時だけ、彼らは毎日子羊の料理を幾種類も食べる。羊はイエスの象徴。イエスの犠牲と現在の幸福に感謝を捧げるためだ。
復活祭を間近に控えた時期... の続きを読む
一歩部屋に入ればそのことに思いが至る。例えば玄関から階段を上って直ぐの「桂」の間。黒光りする太い梁。磨き込まれた板間。薄陽が差し込む障子。そして囲炉裏。無駄を排した空間には本物のみが醸し出す、剛直な、それでいて穏やかな雰囲気が漂っている。さて、お目当ての温泉は旅館の中庭にある。宿の建物に囲まれた庭の真ん中に銀色輝く金属の囲み板があって、その前を通る度に我が姿が鏡のように映り込み、はてこれは何だろう
奈良時代から湧き出る源泉「束間の湯」... の続きを読む
機内暴力が悪質化しているイギリスでは、暴力や器物破損など航空機の安全運航を妨げる行為、泥酔、喫煙などを禁じていた航空法を九九年に改正し、対象を反社会的行為や乗務員の職務妨害にまで広げ、最高二年の懲役か二千ポンド(約三十八万円)の罰金を科すことができるようにした。また、台湾では民間航空安全法によって、機内で携帯電話を使用すると五年以下の懲役が科せられることになっており、乗務員の警告を無視して携帯電話
罰則規定を伴った立法化の流れ... の続きを読む
殆どがその場でチケットを購入しているが、僕はネットで予約しておいたので、切符売り場では予約番号を告げるだけでOK。乗船の二四時間前までならネットで予約出来、しかも二割引で購入出来るのが嬉しい。昔から船の客室は、細かに等級が分けられている。例えフェリーであっても、この点は本物の豪華客船と変わらず、上は特別室から下は二等一般船室まで、実に七段階に分かれている。JRならグリーンと普通席の二段階、飛行機は
時間よりも快適な空間を愉しみたい... の続きを読む
ここから先の旅は、鰻の匂いとお茶のシミが付いたままの服装で続けなければならない。まだ旅は始まったばかり、というのにだ。そしてもっと悲惨なことに、座席のシートも濡れたままなのだ。他に席が空いていれば、車掌さんに事情を説明して替わる事も出来るが、えてしてこういう時に限って空席が無がったりする。お尻が冷たいまま我慢するか、指定席券を購入したのに立ちっ放しで行くか。どちらも悲しい。そういう事態に陥らないよ
ビールは車内で買うべし... の続きを読む
イギリスにダラム城と言う11世紀に建築された城郭があります。イングランドが発足したばかりの頃、王国としての権威を保つために作りました。当時のイギリス城郭の方法として古墳のように土を盛り上げ、その頂点に天主を築く方法が一般的でありダラム城もこのような特徴を備えています。14世紀になると大広間が造営され、現在でもわずかに縮小されているもののその姿を残しています。現在は大学として利用されているのですが、
海外旅行客が訪れる昔ながらの城... の続きを読む
伊勢神宮って小学生の頃、学校の修学旅行で一度だけ言った事があるんですけどね。テレビや雑誌でいろんな特集が組まれていたりパワースポットになっているとかで大人になった今またちゃんと行ってみたいなと少し前から思っていました。今回家族旅行に行くことになりどこにする?と話し合った結果、妹と私のリクエストで伊勢神宮へ行くことに決定しました。お伊勢さん、この響きだけでテンションがあがってきちゃいます。ばっちり下
家族旅行で伊勢神宮へ... の続きを読む
東京中心の原則は国鉄だけでなく、私鉄にも適用された。名鉄の中心駅は新名古屋であるが、名古屋本線は豊橋から新岐阜方面を下り、その反対を上りと称している。京阪の本社は大阪にあるが、本線は出町柳方面を上り、淀屋橋方面を下りと言っている。阪急はもっと複雑である。宝塚線と神戸線は、梅田方面を上り、宝塚、三宮方面を下りとしている。ところが、京都線だけは梅田方面を下り、河原町方面を上りにしている。三線が並行する
東京中心の原則に真っ向から背いている私鉄... の続きを読む
「さすがN君、食品製造会社に勤めているだけのことはある。いい勘してるね」と冷やかせば、「じつは僕の会社、カップラーメンのスープやレトルト食品をつくっているんですよ。だから市販されているものは、ひととおり食べてみるんです」「じゃあ、専門家なんだ」「いやあ、そういうわけじゃないけど」と、照れながらもN君、パッケージに表示されている原材料名や、粉末スープの味をチェックする。なかなか仕事熱心なのだ。そうと
勘違いのおじさん... の続きを読む
サンティアゴ騎士団の本拠地として、さらに巡礼者のための宿泊兼療養所としても利用されていたが、その後本格的な修道院兼病院として活動を始めるようになった。こちらは当時の面影をよくとどめていて、修道士たちの生活の場であった教会につながる3階と、宿を必要とする者のための2階、それぞれの施設がそのまま客室に利用されている。また、巡礼者が旅の疲労を癒やすために使っていたサロンも、当時の姿のまま残されている。友
ホスピタリティの精神は今も昔も変わらない... の続きを読む
一般に、鉱泉と温泉は厳密な区別がされていない。鉱泉は冷たく、温泉は温かい湧き水だと単純に思い込まれているだけである。地中から自然にこんこんと絶えることなく湧き出ている温かい水が、温泉であるとされている。そして、温かく感じないが明らかに普通の水と違う地中から湧き出す水は、鉱泉と名付けられている。正しくいえば鉱泉とは、地中から湧出する泉水で、多量の固形物質またはガス状物質、もしくは特殊の物質を含むか、
鉱泉と温泉の区別とは... の続きを読む
実際、筑波大学の集中講義をするべく、九九年に初めてつくばセンターに降り立ったとき、私はそこがソウルから乗ったバスの終点である天安や公州のターミナルにどことなく似ていて、首都圏にもこんなところがあったのかという感を抱いたものだ。しかしながら、バスが交通手段の主役を占めていた第1象限の地域にも、鉄道の建設が進められている。秋葉原とつくばを結ぶ「つくばエクスプレス」と称する第三セクターの鉄道がそれで、二
運賃が割高になることだって十分に予想される... の続きを読む
草津温泉(群馬)で行われている入浴方法であるが、現在一般には行われていない。強酸性泉で、温度も四四〜四八℃と熱い。毎朝六時になると客が集まり、もうもうと立ちこめる湯気の中でいっせいに草津節を歌いながら、その熱い湯を板でかきまわす(湯もみ唄)。身体中から汗が流れてくる。この板は長さ一・八メートル、幅〇・六メートル分の厚板で相当な力で湯をかきまぜるわけである。その時間は湯長の号令で約二〇分であるから、
時間湯とはなにか... の続きを読む
国内旅行に限らず、海外旅行も、宿泊施設は空きはあるのに、行く手段がなくて、行くことができない、という場合もあります。国内であれば、行く交通手段はたくさんあります。飛行機や特急列車の予約が出来れば、予算はかかりますが、時間は早くつくことが出来ます。そのかわり、早めに予約をしないと、思った電車や時間に予約を取ることはできません。飛行機や特急列車の予約が出来なければ、予約のできない普通列車で行くことが可
国内旅行は交通機関の予約も早めに... の続きを読む
俺がどこかに行きたくなるのは、対人関係に疲れたときなのです。対人関係に、あるいは現実のあれこれに煮詰まってくると、どこかに行きたくなってくる。そして、逃げだしてしまう。まさに逃避です。ただ学生ならばともかく、きちっとした正業についている人は、そう簡単に旅立つわけにもいかないでしょう。有給休暇を取るにもある程度の思い切りが必要だ。でも、思い立ったときに逃げだしてしまうというのは、じつは精神衛生上すご
旅に出かけたくなるきっかけとは... の続きを読む
右手には伊吹山の雄大な姿が望まれる。このあたりは人家も少なく、車窓が楽しめる数少ない区間であろう。米原を出て近江盆地を走ると、沿線には工場が次々と現れる。工場はこのあたりに限らず、沿線いたる所にある。さすが日本の大動脈を走っている路線だ。京都は新幹線沿線でも屈指の途中駅で、車窓で目につくのは、東寺と京都タワーだろうか。テツにとって忘れてならないのは、京都駅を出てすぐに右手に見える梅小路蒸気機関車館
東海道新幹線の車窓は退屈しない... の続きを読む
お召し列車というものがある。天皇陛下をはじめとする皇族が公式行事で遠方へお出かけのときに利用される列車で、その編成中、陛下がお乗りになる車両は「御料車」と呼ばれ、窓下に菊のご紋章が取り付けられる。お召し列車、とりわけ「御料車」は、その時代の最高の技術で設計され、最高の贅沢な調度品で造られた「動く宮殿」ともいうべき車両でもある。二〇一〇年秋に「鉄道博物館」(さいたま市大宮)で「御料車〜知られざる美術
「御料車」をはじめとするお召し列車とは?... の続きを読む
はじめて格安エアラインに乗ったのはその2年後の2003年だった。エアアジアがタイの資本と組んで立ち上げたタイ・エアアジアで、バンコクとチェンマイの間を往復した。航空券は日本で買った。自宅のパソコンからアクセスする。タイ・エアアジアの英語サイトだった。目的地を選び、個人情報を打ち込みながら、「ここまで明かさなければいけないのか」と何回も溜息をついた。郵便番号、住所、電話番号などの個人情報を次々に入力
予約は個人情報を書く上に面倒だ... の続きを読む
私がゲストとして泊めてもらう老舗旅館では、こうした材料を生かした本格的な料理が出る。これはまあ安くはない。しかし映画祭に参加する若者たちは、安くておいしい食事に事欠かない。それも郷土料理風和食とは限らず、『南の風』の極辛カレーや『ことこと亭』のスパゲティや『風見鶏』のシチューなど、六本木や新宿に負けない味があり、しかも千円札一枚でお釣りがくる。これも遠因は一時漂泊者のもたらした都会の風の貢献だろう
ヨーロッパの小都市を思わせる都会... の続きを読む
『天国にいちばん近い島』というタイトルの小説の舞台、ニューカレドニアの小さな島、ウペア島に渉ったことがある。ウインドサーフィンの雑誌の取材で、編集者の紀子ちゃんと二人だった。取材の仕事を終え、せっかくだから小さな島にも足を延ばしてみようということになり、ウベア島に向かった。小さな島でホテルは島の中心地にひとつしかなかった。メインハウスでの夕食のときにホテルのスタッフが何か一生懸命言ってくれているの
電気事情「夜10時の消灯時間」?(ウベア島)... の続きを読む